阿寒湖畔の秋のおまつり
(#2 まりも祭り：後編)

紅葉がピークを迎えて、阿寒湖では常緑樹の合間に赤黄茶が映える美しい景色が広がっています。
今回も前回に引き続き、10月8日から10日に阿寒湖で開催された「まりも祭り」についてご紹介します。

▼前回の記事はこちら
https://www.kamuylumina.jp/sp/enjoy/enjoy-4854/

今回はまりも祭りのなかでもアイヌの方々の儀式や踊りにまつわるものをご紹介いたします。
阿寒湖のマリモを取り巻く豊かな自然とそれを敬いながら共に暮らすまちのひとたち。
阿寒湖畔では私たち人間は自然に生かされていることに気づかされることが多々あります。

マリモを迎える儀式

２日目の夜には、阿寒湖畔にて丸木舟に乗ったアイヌの青年がマリモを迎えに行きます。
丸木舟が湖畔に到着すると、そのマリモは阿寒湖アイヌコタンのエカシ(長老)に手渡されます。
マリモを無事にお迎えしたあとは、阿寒湖畔からアイヌコタンに向けてタイマツ行進のはじまりです。

タイマツ行進

阿寒湖岸から３キロほど離れたところにあるアイヌコタンを目指して、北海道全道から集まったアイヌの人々が伝統の着物を身につけ、松明を掲げながら町中をゆっくりと進んでいきます。

掲げられたタイマツの火でオレンジ色に染まる夜。
アイヌ紋様の入った伝統衣装を身に着けた人々が商店街を歩む姿は厳かでありながら、ぬくもりを感じます。

アイヌ民族舞踊の競演

アイヌコタンに無事到着すると、お次はアイヌ民族舞踊の競演が行われ、道内各地から集まったアイヌの人々によるそれぞれの地域の踊りが順番に披露されました。 ＜br＞舞台の上や観客席は老若男女問わず沢山の人々で埋め尽くされ、踊りがはじまれば会場は熱気に包まれました。

同じ演目でも地域が異なれば、雰囲気や歌のテンポが異なったり、その地域にしかいない野生生物にまつわる踊りがあったりと、地域ごとに大切に継いできたものが、そこにはありました。

また最後にはすべての地域のアイヌのひとびとが大きな円になって、ひとつになって踊る姿はまさに壮観です。
楽しそうに踊る人たちを眺める観客の席にもその喜びや幸せの輪が広がっているのが伝わってきました。

まりも祭りは毎年１０月８日から１０日までとなっております。
ぜひ興味のある方は来年のまりも祭りに足を運んでみてくださいね。