阿寒湖畔の秋のおまつり
(#1 まりも祭り：前編)

秋の晴れ模様が続く阿寒湖畔では木々が色づき、朝晩は空気が冷え込みが身に沁みる時期を迎えています。
今回はそんな秋の阿寒湖畔のおまつりをご紹介していきます。
本日ご紹介するのは年に一度の「まりも祭り」です。コロナ禍での縮小開催が続きましたが、今年は例年通りの開催となり阿寒湖畔が賑わう３日間となりました。

まりも祭りとは

「まりも祭り」は毎年10月8,9,10日に開催されます。
まりも祭りの発祥は昭和25年、マリモが危機に瀕していたとき。盗採や密売が横行したり、水力発電の為にたくさんの水を放水したことにより阿寒湖の水位が低下し、マリモが空気中に出てきてしまうように･･･。そんなときに、「阿寒湖のマリモを湖に返そう、マリモを守ろう」とマリモ祭りははじまったのです。

▼まりもについて詳しくはコチラの記事をチェック
https://www.kamuylumina.jp/sp/enjoy/enjoy-4399/

まりも祭り期間中には、まりもの生息にまつわる講演会や生育地の観察会、町のひとたちによるまりも踊り行進も行われます。

また、まりも祭りではマリモを通じて阿寒湖の豊かな自然に感謝と畏敬の念を示すべく、アイヌのひとびとの伝統の儀式で執り行われます。

まりも踊り行進

まりも祭り２日目の昼には浴衣姿の町のひとびとが「まりも踊り音頭」に乗せて阿寒湖温泉街を踊りながら練り歩く『まりも踊り行進』が行われます。

義務教育学校のこどもたちをはじめ、婦人会や、ホテルの従業員、商店街の関係者など、おとなもこどもも一緒になって踊っている姿が見られ、お祭りらしい和やかな雰囲気でした。

まりも踊り行進は「阿寒湖畔エコミュージアムセンター」からはじまり、「まりもの里商店街」「幸運の森商店街」を抜け、阿寒湖アイヌコタンまで、本当に町の端から端までを踊り歩きます。

歩道では、観光客はもちろん、お店を営む町の人々も顔を出し、行進を笑顔で見守る様子がうかがえました。

「まりも踊り音頭」というだけあって、阿寒湖の丸いまりもや湖面のゆらぎを彷彿とさせる振付が組み込まれており、この地域ならではの踊りであることが伝わってきました。

観光客のお客さんも見様見真似で一緒に踊ったりする様子も見られました。

踊り手のみなさんが身に着けていた浴衣も特徴的で、女性は雄阿寒岳をバックにした阿寒湖畔と緑のまりもが描かれています。

一方男性陣はアイヌ紋様をモチーフにした柄の藍色のデザインが素敵な装いとなっています。

商店街を抜けてアイヌコタンに到着すると、コタンの坂道を一周ぐるりとまわり、まりも踊りもあっという間に終わりを迎えます。

踊りやお祭りの文化が次の世代へと繋がれていく様子を目の当たりにした観客からは拍手が送られ、まりも行進は無事に終了となりました。

後編では同日夜に行われる「まりもを迎える儀式」「タイマツ行進」「アイヌ民族舞踊の競演」についてもご紹介します！ 次回更新もお楽しみに！